人間関係は思い込みで作られている
人の悩みは大きく2つに大別されると言われています。
1つはお金、もう1つが人間関係です。
つまるところ、お金と人間関係の問題がクリアになれば、
人生における悩みのほとんどは解決できたといっても
差し支えないのです。
今回は、人間関係に絞って筆を進めたいと思います。
人間関係といっても、親子関係、夫婦関係、恋愛、
職場の人間関係と様々ですが、本質は1つです。
お互いが、相手を自分の思い通りに動かそうと
することによって、人間関係の悩みが生じるのです。
人間関係の悩みに向き合うには、
まず「他人は変えられない」という
大前提に立つことが第一歩なのです。
では、どうすればいいのでしょうか。
それは、「自分の中の思い込み」を
変えることです。
こう聞くと、
「いやいや、苦手なあの人が存在しているのは
まぎれもない事実であって、
思い込みなんかじゃないから」と
突っ込みたくなるかもしれません。
それでもあえて言います。
あなたの人間関係の悩みを少しでも軽くして、
生きやすくしたかったら、
「あなたの中の思い込みを変えなさい」と。
なぜなら、その嫌な相手の持っている性質を
100だとしたら、あなたが見ている嫌な部分というのは、
そのうちの何%かにすぎないからです。
つまり、あなたが嫌な相手だと思っている相手には、当
然ながら性質として好ましい部分も持ち合わせているわけです。
相手の好ましい性質が盲点となって
見えなくなっている状態こそが、
人間関係の悩みの正体というわけです。
相手には嫌な部分も確かにあるかもしれないけど、
好ましい部分も確かに持ち合わせていると。
その事実が腑に落ちれば、相手に対して抱いていた
嫌悪感が多少トーンダウンしてくるはずです。
「まあ、嫌な部分もあるけど、
好ましい部分も持っているよね、人間だもの」と。
さらに、その相手が見せている「嫌な部分」には
メリットとデメリットの双方が含まれていることに
気づくことができれば、パラダイムシフトが起こります。
たとえば、父性的な指導でならしている鬼教師がいるとします。
彼は、生徒たちにとって近づき難く、
恐れられている存在かもしれません。
しかし、一方で生徒たちを厳しく鍛え上げ、
成長させていく存在でもあるのです。
逆に、母性的で包み込むような指導だけを
受け続けた生徒たちは、厳しさが育たないまま
大人になってしまうかもしれません。
このように、「嫌な部分」にはメリットとデメリット
の双方が含まれており、一概に「嫌な部分」が
デメリットだとは決めきれないのです。
数分メモがどのように人間関係を変えるか
ここからは、人間関係の悩みの根底に存在する
「思い込み」を書き換えるワークについてご紹介します。
①自分をムカつかせる相手を1人選んで、
その相手が自分にもたらしているメリットを
思いつく限り書き出します。
②ある程度書き出したら、さらに別の紙の上に、
自分をムカつかせる相手がもしいないとしたら、
どんなデメリットがあるかを思いつく限り書き出します。
③さらに別の紙の上に、自分をムカつかせている
相手と同じ性質を、自分が誰かに与えたことが
ないかを書き出します。
③のワークをなぜ行うかといえば、
嫌な相手というのは自分自身の投影であることが
ほとんどだからです。
人間関係には「鏡の法則」が働いており、
相手に見ている「嫌な部分」というのは
自分の中にも存在しているのです。
つまり、嫌な相手というのは、鏡のように
そのことを自分に伝えてくれる存在に
ほかならないということです。
このメモ書きを毎日繰り返してください。
いつまでかといえば、その嫌な相手のことが
気にならなくなるまでです。
私は、職場のパワハラ上司や、大嫌いな御局様、
学年1の問題児であるA君に対して行いました。
私がこうしたワークをしていることは、
当然ながら誰にも話していません。
粛々と、1人机に向かってペンを走らせるだけです。
そのうち、だんだん相手に対する嫌悪感が薄れ始めます。
「嫌な部分も好ましい部分もあって当たり前、人間だもの」
と観念が書き変わっていくのです。
パワハラ上司とは接点が少なくなり、
互いに不快な思いをすることがめっきり減りました。
御局様とはできる限り、話をすることもなく
感情的に波立つこともほとんどありませんでした。
そして、圧巻だったのが問題児A君の変貌です。
何か指導するたびに悪態をついたり、
暴言を吐いたりして手のつけられなかった彼が、
少しずつ落ち着いていったのです。
なぜ、彼に劇的な変化が生じたのでしょうか。
それは、私自身の内面が劇的に変化したことによる
ところが大きいと見ています。
私はメモ書きに毎日こう書いていました。
・彼がいることで、自分は教師として成長できる。
・彼が自分の教師力を高めてくれる。
・彼がいるおかげで胆力が鍛えられる。
・彼がいるおかげで、自分の器が広がる。
・彼がいるおかげで、人間の厳しさが磨かれる。
こんなことを毎日書いているうちに、
私にとってA君はなくてはならない存在、
かけがえのない唯一無二の存在に変わっていったのです。
その頃からでした、彼が目に見えて落ち着いていったのは。
もし、私が思い込みを変えるワークをしていなかったら、
私と彼は最後まで反目しあっていたことでしょう。
そうなれば、彼が落ち着いた表情で卒業式を迎えることは
なかったでしょうし、彼のお母さんのスマホで一緒に
記念撮影することなど思いもよらなかったことでしょう。
毎日数分のメモ書きをしていなかったら、
と思うと心底ゾッとしたものを感じるのです。

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