将来出世する囚人は、筋トレを欠かさない
私の敬愛する文筆家、千田琢哉氏の著書
「筋トレする人は、なぜ、仕事で結果を出せるのか?」には、
こんなことが書いてあります。
「アクション映画で主人公が投獄された場合、
かなりの確率で筋トレに励むシーンが出てくる。
もちろん、すべての囚人が筋トレに汗を流すわけではない。
シャバに出てから夢を抱く囚人、大志を抱いている囚人だけが、
ウダウダと過ごしているその他大勢を尻目に
黙々と筋肉を鍛え続けるのだ。」と。
その日を境に、私の人生は一変しました。
どんなに仕事が忙しかろうと、大きなトラブルを抱えていようと、
関係なしに体を鍛え続けてきたのです。
その結果、分かったことがあります。
世の中は、筋トレを続けられる人と、
筋トレを続けられない人の2通りしか存在しないのだ、
ということです。
黙々と筋トレを続けられる人は、
仕事でも常人以上の踏ん張りを見せます。
それに対して、筋トレを続けられない人は、
キツいことに出会ったら回れ右して言い訳を探します。
シンプルですが、これは否定しようのない事実です。
教師に筋トレが必要な理由
国際社会において、日本が米国に逆らえないのは
なぜでしょうか。
あるいは、お隣の中国に対して我が国が
脅威を感じているのはなぜでしょうか。
つまるところ、その強大な軍事力に抗えないことが、
大きな理由です。
中国や米国にその強大な軍事力を行使されたら、
我が国はひとたまりもないと誰もが分かっているので、
弱腰になってしまうのです。
最近では、識者の中に「日本も核武装をするべき」との
論を展開する人もいるようですが、むべなるかなと
いうところです。
ひるがえって、教育現場に目を向けてみましょう。
生意気盛りのやんちゃ小僧が、
我が物顔で廊下を闊歩しています。
明らかに自分の方が筋肉量で劣る場合、
思わず腰が引けてしまうのは無理からぬことです。
しかし、自分の筋肉量や運動能力に自信があれば、
ゆとりをもって冷静に指導にあたることができるはずです。
つまり「核武装」ならぬ、教師の「筋肉武装」を
ここで勧めているのです。
教師が鍛えるべき筋肉とは
教師として鍛えておくべき筋肉は、
以下の通りです。
①呼吸筋
横隔膜等の呼吸に関するインナーマッスルは、
話す仕事である教師には必須の筋肉です。
横隔膜は呼吸法で鍛えるのがベストです。
呼吸法については、書籍で勉強する方法もありますが、
できればプロについてきちんと基礎・基本を押さえた方が、
後々の上達にはプラスだと思います。
②足腰の筋肉
普段運動不足の人は、とにかく歩くだけでも
いいと思います。
さらに余裕のある人は、日常生活の中に階段を往復する
習慣をもつことで、筋トレに加えて有酸素運動の効果を
上げることも可能です。
③握力
握力はその人の生命力を表します。
ムキムキになるほど鍛える必要はありませんが、
自分の年齢の平均値くらいの握力はキープして
おきたいものです。
④腕力
フォームに気をつけて、腕立て伏せをやっておけば
いいと思います。
楽にこなせるようになったら、足を台の上に載せたり、
片手で行ったりして負荷を上げていきましょう。
中高年の筋トレで気をつけること
私は30代からコツコツと筋肉を鍛え続けてきていたので、
ある程度体力的には自信がありましたが、
40代の半ばくらいから少しずつ疲労が抜けにくく
なってきました。
そして、40代後半のある日、
突然の腰痛で床から起き上がれなくなってしまったのです。
その日以来、私は筋トレのやり方を見直すことにしました。
知り合いのトレーナーの方に体を診ていただいたところ、
筋肉量はあるが肩周りや股関節周りが固まっていると
指摘されました。
ストレッチや体のケアもろくにせず、
闇雲に鍛えてきたツケがたまったのだろうと思います。
そこで、私は運動科学者の高岡英夫さんの著作を読みあさり、
ゆる体操について研究を始めました。
高岡さんの理論によると、若いうちはともかく、
中高年でヘタな筋トレをすると体が固まってしまうので
注意が必要とのことでした。
高岡さんが提唱するエクササイズに「ゆる筋トレ」
というものがあります。
私は腰痛で体が動かなくなったことをきっかけに、
それまでの筋トレと縁を切り、「ゆる筋トレ」を
習い始めることにしました。
これが私には合っていたらしく、
それ以後腰痛で体が動かなくなることも無くなりました。
また、トレーナーの方に指摘されていた、
肩周りや股関節周りのこわばりも少しずつ取れてきて、
体が楽になりつつあります。
ルースニングのすすめ
ルースニングとは、
簡単に言うと「ゆるめること」です。
先ほども述べたように、ただ「鍛える」だけでは
筋肉が固まり、疲れやすくなります。
中高年の教師における筋トレは、
「鍛える」と「緩める」で1セットなのです。
なぜなら、子どもというのは大人では考えられないほど
「ゆるんだ」存在だからです。
彼らとコミュニケートしていくには、
私たちもそれなりに「ゆるんで」「しなやかな」存在
である必要があるのです。
プロのアスリートが、競技でパフォーマンスを出すために
必要な筋肉を鍛えるように、私たちも教育で結果を出すために
プロに徹しなければならないのです。
子ども達のために、体を鍛えることにも「本気」になれるのが、
本物のプロ教師だと私は思います。
最後に、参考図書を1冊ご紹介します。
高岡英夫著「スポーツ・ルースニング入門」は、
手、腕、肩、肩甲骨、股関節、足、肋骨、背骨、脳に至る
全身すみずみまでゆるめる方法について述べられた良書です。
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