働き方改革について2

仕事

仕事が終わらないなら残業するのは当たり前

「働き方改革」のスローガンを盾に、
猫も杓子も早帰りの風潮に流されつつあるようです。

率直に言って、仕事ができない人間が
早帰りを口にするのは
10年早いです。

組織に雇ってもらっている以上、
最低でも給料分の仕事をするのは常識です。

たいした仕事もできないのに、
そそくさと荷物を片付けて帰るのは、
サラリーマンの風上にもおけません。

かくいう私も、意味のない残業には真っ向から
反対していますし、
できうることなら効率的に仕事を片付けて
早く帰るのが美しいと心から信じています。

ただし、まともに仕事ができないうちは、
残業も厭うべきではないし、
休日に仕事を持ち帰って遺漏なく業務を進めるための
準備をするのは当たり前のことです。

まだ若く、仕事のイロハもわからないうちは、
どうしたって効率的に仕事を進めることは不可能です。

私も30歳くらいまでは本当に仕事が遅く、
早く帰る同僚を尻目に遅くまで残って働いていたものです。

10年目を過ぎて、徐々に仕事の効率的な進め方が腑に落ちて、
たくさんの校務を抱えながらなんとかやりくり
できるようになってきたのです。

逆に言えば、それなりの年数を過ぎても、
仕事の効率的な進め方がわからないとしたら、
それはそれで問題だということでもあります。

20〜30代までは、まだ肉体的にも元気で無理が効きますが、
40代になるとどんどん体力は下降していきます。

体力でカバーできない分を、いかに知恵で補うか。

本当に仕事ができるシニア世代になれるかどうかは、
その点にかかっているのです。

手の抜きどころが分かるのが一流

若い頃は、仕事は全てに全力投球するのが美しいと
信じていました。

そのことを先輩に話すと、
「全力を出すのは、ここぞというポイントだけに絞れ」
と言われたことがあります。

まさに、この先輩の言葉の通り、
生身の体を持つ私たちがすべての業務に全力を尽くすのは
物理的に不可能です。

たとえば、プロ野球の先発完投型のピッチャーが
1回から9回まで全力で球を投げていたら、
あっという間に肩や肘が壊れます。

仮に故障しなかったとしても、
試合の後半になると疲労で球威が落ちて、
ボコボコに打ち込まれてしまいます。

だから、プロのピッチャーは「手の抜きどころ」
を計算しながら、
要所要所でバッターを抑えて勝ちを掴むのです。

もちろんそれができるのは、試合の作り方を熟知した
一流のピッチャーだけです。

斎藤一人さんの言葉に、「仕事は6割の力で行う」
というものがあります。

4割の余力があるからこそ、さまざまなアクシデントにも
臨機応変に対応しながら、仕事を完遂することができるのです。

ただし、私はこの言葉に「ただし、本番に限って言えば」
と条件をつけたいと思います。

たとえば、授業の準備については教材分析、
指導法研究などを十分に行い、書籍などに目を通したりして、
これ以上ないほどの準備を行います。

しかし、本番の授業については、
リラックスして6割の力で流すのが理想的なあり方だと思います。

逆に、ろくに授業の準備もしないまま教壇に立ち、
冷や汗をかきながら全力で授業していては、
何年経験を積んでも初任者に毛の生えた程度の力量しか
身につかないことになってしまいます。

そんな授業を受けさせられる生徒たちは、
お気の毒としか言いようがありません。

勉強しない人の末路

勉強しない人の話ほど、
聞いていてつまらないものはありません。

話題に広がりがなく、モノの見方も浅薄で、
深みも味わいも感じられません。

では、どんな勉強をすればいいのでしょうか。

まずは、自分の専門分野の勉強をしっかり行うことです。

教科指導、学級経営、生徒指導について、
本屋に行けばいくらでも書籍が手に入ります。

もしもあなたが独身であるなら、
金に糸目をつけずありったけの本を買い込んでみては
いかがでしょうか。

そして、購入した本を休みの日にでも集中して、
一気に読破していくのです。

「本なんか読んでも、所詮は机上の論理」
という人もいますが、
そういう御託は実際に身銭を切って本を買ってから
にしてもらいたいと思います。

実際に、お金を出して本を買った人だけが、
「読書の威力」を実感することになるのです。

もしも、読書にたいした意味もないのであれば、
本というコンテンツはとっくに廃れていても
おかしくないとは思いませんか。

それでも、どうしても本が性に合わないと
いう人もいるでしょう。

そうした人は無理に本を読む必要はありません。

勉強会やセミナーなどに参加すれば、
対面やzoomを通して知恵を学び放題です。

あるいは、本の内容をプロのナレーターが朗読した、
オーディオブックを活用する手もあります。

また、YouTubeには名だたる講演家が、
無料でたくさんの講演をアップしてくれています。

この時代に、教育者としてこうした講演を1本も聞かないというのは、
職務怠慢の誹りを免れないと思います。

その気になれば、いくらでも学び放題の環境が整っているのです。

徹底的に学ぶ人と、何も学ばない人の二極化は
既に始まっており、
近い将来その力量には天と地ほどの格差が
生まれるであろうと予見しています。

自分だけの仕事部屋をもつ

もしも、あなたが本気で仕事の効率化を目指すのであれば、
職場の中にあなただけの仕事部屋を発掘すべきです。

職員室で残っていると、ダラダラ仕事をしている
同僚の雑談にも付き合わないといけなくなります。

もちろん、あなたが真剣なオーラを発していれば、
おいそれと話しかけられることもないとは思いますが、
周囲がペチャクチャ話していると、
それだけで集中が削がれるものです。

特に、クリエイティビティを要求される仕事は、
繊細な集中力を要求されるので、
周囲がざわついているとそれだけで効率が
ダダ下がりしてしまいます。

そういうとき私はPCを抱えて別教室などに場所を移して、
黙々と作業に没頭します。

静かな空間で、誰の邪魔も入らず仕事をできるのは
何ものにも代え難い快感です。

最初のうちは、少し感じが悪い気がするかもしれませんが、
引け目に思う必要はありません。

職場というのは、「仲良しクラブ」ではないのです。

その場の雑談がいくら盛り上げることに頑張ったとしても、
肝心の仕事でパフォーマンスが出せないとしたら、
本当の意味で組織に貢献しているとは言えません。

あなたが本気で仕事をしたいと考えているなら、
職場で付き合うのも同様に本気で仕事をしている人
だけにするべきです。

ぬるま湯の中で甘ちゃん同士でなれあっていても、
永遠に仕事力は磨かれず、
結果的に人間的成長も得られないのです。

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