目標設定より大事なこと

メンタル

目標設定の盲点

自己啓発やビジネス等の世界では、
目標設定の重要性がさかんに叫ばれています。

私も目標設定の重要性を否定はしませんが、
それがすべてではないと感じています。

たとえば、ビジネスやスポーツ等で
明確に目標が数値化できる分野については、
目標設定はきちんと行うべきだと思います。

しかし、目標設定には盲点が存在するのです。

それは、自分が現状で見えている範囲でしか
目標を立てられないということです。

言い換えると、現状の実力や常識に縛られた
目標しか立てられないということです。

もちろん、人生にはそのような目標設定が
有効な時期もあります。

しかし、これから大きく飛躍しようとする時期において、
既知の範囲における目標設定は足枷でしかありません。

たとえば、日ハム時代の大谷翔平選手が、
「二刀流は無理」というプロ野球の常識に従っていれば、
異次元の活躍をするメジャーリーガーとしての
現在の姿は見ることができませんでした。

そう考えると、目標設定は諸刃の剣となりかねない
ことがわかると思います。

自己啓発の世界では、目標設定さえすれば
今とは違う自分になれる、
というような論調で語られることが多いですが、
実際は現状に縛り付けるための足枷となってしまう
ことも多いのです。

その意味では、目標設定に過度の期待を抱くのではなく、
1つのツールくらいの軽いスタンスで付き合っていく方が
健全であると言えるでしょう。

この点についてわかっている人は、
あえて「現状の10倍の目標を立てよ」
と提唱する人もいます。

「現状の10倍の目標」を達成しようとすると、
当然ながら現状の延長線上では達成不可能です。

これまで盲点だった部分にも目を向けなければ、
解決の糸口は見えてきません。

結果として、現状を超えるための方法が見えてくるのです。

10倍の目標を達成できるかどうかは別にして、
現状よりも少しでも成長発展を遂げられるのは
間違いないのです。

日々の行動目標を立てよ

私は日々の行動目標をこそ立てるべきだと
考えています。

スマホに標準装備されているリマインダーアプリや手帳は、
行動目標の管理において非常に有効です。

私は習慣化したい行動が出てくると、
手帳やリマインダーを使って行動管理をしています。

その結果、どんなに忙しくても行動を実行して
習慣化することに成功しています。

行動目標を管理する習慣がない人にとっては、
最初のうちは難しいかもしれません。

そのような人は、小さい行動から実行する
習慣をつけることお勧めします。

たとえば、「歯磨きをする」とか
「家族に挨拶をする」といった、

当たり前にできていることをリストに入れて、
実行できたらチェックを入れるという行動を
3週間繰り返していくのです。

とはいえ、こんなことを聞いても大半の人は
「馬鹿らしい」と聞き流してしまうことでしょう。

だから、いつまで経っても
脳内に「実行回路」が形成されないのです。

「実行回路」とは、
自分が「やる」と決めた目標を

何があってもやり抜くことができる
行動習慣のことです。

成功者は意志力で目標を達成しているのでは
ありません。

脳内に形成された「実行回路」に従って、
淡々と目標をこなしているだけなのです。

意志力というのは、
たとえるとガソリンのようなものです。

1日の持分はあらかじめ決まっています。

日々のルーティーンをこなすために、
いちいち意志力を使っていたら、
もっと重要な判断や決定を下す場面で
ガス欠を起こしてしまいかねません。

だから、成功者は日々の瑣末なことについては、
淡々と機械的にこなして無駄に意志力を
消費しないように心がけているのです。

日々の目標管理ができているからこそ、
もっと大きな目標でも実現力が高まるのです。

目標を達成するより大事なこと

日々の行動目標管理を行い、なんとしてもやり遂げる
習慣を作ることの重要性について述べました。

しかし、もっと大きなスパンの目標、
たとえば1年後や半年後の目標については
その限りではありません。

たとえば、アスリートが「〇〇大会で優勝する」ことを
目標に掲げたとします。

しかし、実際に優勝できるかどうかは、
当日の体調や試合の組み合わせ次第なところもあり、
「勝敗は時の運」としか言えない部分があるのも事実です。

つまり、私たち人間にできるのは
目標達成のための要素を

1つ1つ満たしていくところまでであり、
実際に結果を生み出すのは神様の領域だ
ということです。

「人事を尽くして天命を待つ」という言葉の通りです。

だから、プロセスにおいて目標達成に
こだわり抜くことは大事ですが、
出てきた結果についてはあまりこだわらない方が
健全だと思います。

「目標は達成できなければ意味がないのでは」
と思う人もいるかもしれません。

確かに、目標達成にこだわってきて失敗するのは、
大変に悔しいことかもしれません。

しかし、たとえ目に見える成果を手にできなかったとしても、
頑張ったあなたには目に見えない財産が残ります。

それは、あなたという人間の成長です。

それは、目標を立てずにダラダラと過ごしてきては
決して手に入ることのない果実です。

プロセスにこだわってこだわって、
自分を磨き抜いてきたからこそ
人間として成長するのです。

実際のところ、目標設定で一番大事なのは
内面の成長だと言っても過言ではありません。

ただし、そのためにもプロセスにおいては、
とことんまで目標達成にこだわり抜く姿勢が
重要です。

「もうこれ以上準備できない」

「これで失敗したら自分の才能不足」

そう割り切れるくらい、すべてを没入して
目標にこだわることが大事なのです。

ここまで目標達成にこだわる人だけが、
次の人生のステージにコマを進めることが
できるのです。

今を真剣に生きる

結論として言えるのは、
目標設定は理想の人生を叶えてくれる
魔法のツールではないということです。

そして、目標設定も大事ですが、
日々を充実させて生きることは
もっと大事です。

目標達成のマシンになって日々の喜びや充実感を
傍に置く人生と、
適当に道草を食いながら日々を楽しみながら生きる人生、
どちらが人間味にあふれているでしょうか。

目標設定に魂を売って成果だけを追い求めていくと、
やがて家族や友人もいなくなり寂しい人生が待っている
かもしれません。

大事なのはバランスであり、
結果にこだわるプロセスも大事ですが、

ボーッとして非生産的なことに
現を抜かす時間も同じくらい大切です。

成長も大事ですが、時には成長うんぬんを度外視して
馬鹿なことをしてみるのも悪くありません。

いずれにしても、人生という旅路は一回きりであり、
死んでしまったらおしまいなのです。

今この瞬間を悔いなく生きること以上に、
大事なことなどないのではないでしょうか。

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