本を読む習慣を持つ

仕事

読書は娯楽

人々が大事だと分かっているけど、
実行に移せない習慣の筆頭に読書があると思います。

ただし私は読書について、
義務感でイヤイヤ本を開くのは違うと考えています。

作家の浅田次郎氏がこんなことを言っています。

「昨今、読書教育という言葉があるが、
読書とは親や教師から押しつけられて読むものではない。
読書は本好きにとっては娯楽である。
読むなと言われても、隠れてでも読みたくなるのが
本当の読書なのだ」と。

私も全く同感です。

無類の読書好きである私は、電子書籍、紙の本、
オーディオブックを縦横無尽に駆使して、
ほぼ1日1冊ペースで本を読み続けています。

筋トレ中も、朝の身支度をしているときも、
家事をしているときも、通勤の運転中も、
ウォーキングをしているときも、
すべてが本を読むための時間と同化しています。

そこに義務感が入り込む隙は、1ミリもありません。

風邪を引いて仕事を休んだときなど、寝床の中で活字を追い、
読書に疲れたら眠り、また目覚めては活字を追うという
幸せな時間を満喫します。

不謹慎に思うでしょうか。

でも、本当の読書好きというのは
そういうものです。

知を心底から渇望し、ページを繰ることに
無上の喜びを覚えるのです。

何はともあれ本を開く

もちろん、私はすべての国民が本を読むべきだ、
とは思っていません。

先ほども述べたように、読書は娯楽であり
義務感で読み進めるものではないからです。

公立学校でも教室の約1/3は、
ろくに本も読めない子ども達がいます。

私は公立学校の教室というのは、
「社会の縮図」だと思っています。

つまり、国民の約1/3の人々が読書とは
縁のない人生を送るのは、ある意味必然なのです。

そんな彼らに、「読書は大事」「本を読もう」
と呼びかけるのは、
「いじめ」に等しい行為です。

以上を前提として少し厳しいことを述べます。

教員をしている人たちが本を読まないのは、
「知的怠慢」ではないかということです。

世の中には、「本を読みたくても読めない」人たちが
一定数存在しています。

にもかかわらず、「本を読む能力」もあり、
「本を読める環境」にある人々が、
本を読まないのはいかがなものか、
ということです。

まして、教育者として教壇に立つ人間が、
本も読まずにいったい何を子ども達に伝えられる
というのでしょうか。

これまで読書にご無沙汰だったという人は、
いきなり新書や専門書をひもとくのは、少し敷居が高いでしょう。

まずは薄くて読みやすい本からでもいいので、
リハビリ読書を始めてみてください。

たとえどんなに忙しくても、「1日1ページだけは本を読む」
という習慣をもつことが、教養人のステージに立つための
第一歩なのです。

読書の威力

「読書なんかしても、意味ないよ」
嘯(うそぶ)いている人を見ると、
同情を覚えます。

ああ、この人はとてつもない人生の可能性を
ドブに捨ててしまったのだな、と。

なぜなら、読書には人の人生を大きく変えてしまうほどの、
恐るべき力が秘められているからです。

私は読書好きの友人と、2人で「読書サークル」
立ち上げました。

月に1度集まり、読んだ本について紹介し合うという
シンプルな会です。

この記事を書いている時点で、読書サークルを立ち上げてから
6年目になります。

振り返ってみると、サークルを立ち上げた当時と、
今とではまったく人生のステージが異なってしまっている
のです。

仕事の質、付き合う人の質、生活の質、発する言葉、志、夢、
とありとあらゆるものが、アップデートされた実感があります。

一緒にサークルをしている友人も、同様のことを述べていました。

おそらく「読書サークル」の中で、
読んだ本を他者にアウトプットする習慣を継続したことが、
これほどドラスティックな効果を生んだのでしょう。

最近、いろんな人が「アウトプット」の重要性を説いていますが、
図らずもその原則に合致していたことが功を奏したのかもしれません。

もしも本を読んでいなかったら、
今いる場所には恐らくたどり着けていないだろうと思います。

何を読むべきか

浅田次郎氏と同じく「読書は娯楽」という立場をとる
私としては、あまり功利主義的に読書をとらえるのは好まないのですが、
あえてこのテーマで述べてみたいと思います。

まずは仕事に関する本を読むことです。

なぜなら、私たちは仕事に1日の半分近くを費やしており、
仕事に費やす努力はそのまま人生の質の向上に寄与する
と思うからです。

やるべきことはシンプルで、「学級経営」に悩んでいるなら
「学級経営」に関する本をすべて購入して読み切ることです。

同じように「生徒指導」「教科指導」と、自分が必要としている分野の本を、
コンプリートしていくのです。

50冊、100冊と、仕事に関係する本をコンプリートする
つもりで本を制覇していくと、徐々に仕事で成果を出すことが
できるようになります。

本代もバカになりませんが、
仕事で成果を出せば後々取り返すことのできる金額です。

多くの先人が言い残しているように、「自己投資」ほど
リターンの大きな投資はないのです。

小説を読む

小説は直接仕事に役立たないと思うかも知れません。

しかし、素晴らしい小説作品には人間に対する
深い洞察が描かれています。

仕事で成果を上げるには、仕事に対する知識・技能を
高めるだけでは不十分です。

教育者は人間を相手に仕事をする以上、人間について
深く学ぶ必要があるのは言うまでもありません。

しかし、私たちが乏しい人生経験だけで「人間通」になろうとしたら、
たとえ100年生きたとしても時間が足りません。

天才達の手によるすぐれた小説作品を読むことは、
私たちの知恵の獲得に要する時間を大幅に
ショートカットしてくれるのです。

人間を知るために、小難しい専門書をひもとかない
といけないとしたら腰も引けるでしょうが、
読むのはただの小説です。

楽しみながら小説を読むだけで、
人間についての深い洞察が得られるなんて、
こんなにありがたいことはないと思うのですがいかがでしょうか。

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