被害者マインド
授業中に子どもが言うことを聞かないと、
学担に文句を言ってくる人がいます。
「授業中、○○が反発して困っている。
きちんと授業を受けるよう指導してほしい。」
その人の頭の中を言語化すると、こんな感じです。
「授業者の私は何も悪くないんだけど、
お前の学級経営がダメだから、
私が被害を受けて迷惑している。」
こういうのを「被害者マインド」と言うのです。
「被害者マインド」の持ち主の特徴は、
自分は一切変わる気がないということです。
なぜなら、自分には何も落ち度がなく、
すべては自分以外の何かに原因があると
考えているからです。
残念ですが、こうした思考の持ち主で幸せになった人を、
これまで一人として見たことがありません。
ではなぜ、「被害者マインド」の持ち主は
どんどん不幸になっていくのでしょうか。
その理由を端的に説明すると、
「人に嫌われるから」です。
だって考えてもみてください。
自分には何も落ち度がなく、
責任を他人になすりつけて生きている人のことを、
一体誰が好きになるでしょうか。
結局のところ、「運を運んでくるのは人である」
ということを思えば、嫌われている人が
運に恵まれるはずがないのです。
大事なのは、あなた自身が被害者マインドに
陥らないように気をつけることです。
というのも、この世の中のおよそ8割は
この「被害者マインド」に感染しているからです。
まずは、自分自身が問題を他人のせいにして生きていないか、
省みることが大事なのです。
鏡の法則
人生を変える鍵は、自分自身を省みることから
始まります。
なぜなら、私たちが変えられるのは自分だけであり、
他人を変えることは叶わないからです。
すべての不幸は、その変えられるはずのない他人を
変えようと奮闘することから始まります。
こんなことを書くと、「この問題で悪いのはアイツだよ」とか
「この問題を引き起こしているのは、俺じゃないし」などと、
納得されない方もいらっしゃることでしょう。
もちろん、その問題を根本で引き起こしているのは、
その「誰か」なのかも知れません。
でも、先ほど申し上げたように、
その「誰か」を変えることは私たちには
できないのです。
変えられるのは、あくまで自分だけ。
そう考えると、その「誰か」を責めても
仕方が無いことに気づかされるはずです。
たとえば、授業中いつも落ち着かない子がいる
とします。
これを、「その子のせい」「学級経営のせい」と、
人にベクトルを向けている限り、あなたは被害者で
あり続けます。
しかし、自分にベクトルを向けて、
「自分に何ができるか」と考え始めた瞬間、
違う未来が引き寄せられるかもしれないのです。
「その子が落ち着かないのは、
自分の指示が分かりにくいのが原因かも知れない」
「その子が落ち着かないのは、
自分が毅然と叱れていないからかも知れない」
「自分の教材研究を見直してみるべきかも知れない」
そうやって思いついたことに、1つずつ取り組んでみると、
必ず何かが変わり始めます。
そうしているうちに、これまで気になっていた子が
だんだん落ち着いてくるかもしれません。
あなた自身が変わると、
あたかも化学変化を起こすように、
外界も変わらざるを得ないからです。
自分が目にする世界は、
すべてあなたの内面の合わせ鏡なのです。
鏡に映る表情を変えるには、
あなた自身が表情を変えなければならないように、
外界を変えようと思ったら自分の内面を変えるのが
先なのです。
この原理を知らないがために、
外側の世界を変えようと奮闘して疲弊してしまう人
の何と多いことか。
主体変容
自分の内面が外側の世界を創りだしていることについて、
述べてきました。
つまり、私たちの在り方を変えることが、
外側の世界を変えることに他ならないのです。
ここでは、自分の在り方を変えるために
日常的に取り組めることについて、
いくつか例を挙げていきます。
1.笑顔を磨く。
毎日、実際に鏡を見ながら満面の笑顔を作り、
表情筋の筋トレをするのです。
あなたの周りに、特に美人やイケメンというわけではないのに、
とびきり笑顔が素敵な人が1人や2人はいるはずです。
そうした人たちは、たいてい隠れてこの表情筋の
エクササイズに取り組んでいます。
あなたも是非この習慣を取り入れてみてください。
「類は友を呼ぶ」という言葉の通り、
周りに素敵な笑顔の人たちが集い始め、
仕事も人生もきっと好転し始めるはずです。
2.いい言葉を使う
言葉はそれを使う人間の脳に対して、
ダイレクトに影響を与えます。
グチや悪口など、汚い言葉を多用する人は、
脳内にゴミを捨てるのに等しい行為です。
もしも、少しでもいい人生にしたいと思うなら、
使う言葉を変えてみることです。
感謝や褒め言葉など、いい言葉を使うことは、
自分の心をきれいにすることにつながります。
普段からいい言葉を使っていると、
自分の周りを飛び交う言葉も良質のものに変わり、
心穏やかな毎日を送ることができるようになります。
3.姿勢を良くする
古代ギリシャの弁論の達人と言われたデモスネスは、
弟子に「弁論の秘訣は?」と問われ、
次のように答えたそうです。
「1に姿勢、2に姿勢、
3、4がなくて5に姿勢」と。
歴史に名を残す弁論の達人が重視したのは、
「文章の構成」でも「話の抑揚」でもなく、
「姿勢」であったというのは驚きです。
でも、このデモスネスの言葉は、
弁論だけでなく、
すべてのコミュニケーションの
極意であると思うのです。
良い姿勢について、
「天から一本の細い糸で吊られているように立つ」とか、
「大地からそそり立つ柱で全身を貫くように立つ」など、
昔の人は様々な表現で言い残してきました。
弁論に限らず、教育、ビジネス、スポーツ、
武道、芸能、と世界をアッと言わせる
パフォーマンスを発揮する人たちは、
皆一様に優れた姿勢をしています。
私は「学級崩壊」や「家庭崩壊」なども、
解決のための鍵を握っているのは、
姿勢の在り方にあるのではないか
と考えています。
たとえばいつもいじめられている人というのは、
おどおどしている心の状態が外側の姿勢にも現れています。
その姿勢が、さらにいじめを誘発してしまう
「負の連鎖」を引き起こしてしまうのです。
ところが、その人が一念発起して
姿勢の改善に取り組んだところ、
急にコミュニティの中で存在感を増してきて
いじめられなくなったという例も実際にあるのです。
プロの役者やアスリートが、コーチについて
姿勢の改善に取り組むように、
教育のプロである教師も姿勢の改善に
取り組む必要があるのではないでしょうか。
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