黄金の3日間が存在しなかった学級
かつて私がもった学級で、
学級開きの時点から生徒が学級を
飛び出したことがあります。
その学年が前年度から荒れ始めており、
その余波を覚悟して準備はしていましたが、
まさか初日から大変になるとは予想して
いませんでした。
黄金の3日間で学級の仕組みづくりをするために
準備しておいたシナリオが、
一気にパーになったのを覚えています。
通常、黄金の3日間では学級の最低限ルール作りや、
係活動の動きなど学級を回すための仕組みを
整えていくのですが、それすらままならなかったのを
覚えています。
もしも、このような学級をもつことになったら、
まずやるべきことは他の業務を可能な限り捨てて
身軽になることです。
いうまでもなく、目の前の学級経営に専念するためです。
授業の工夫や、校務分掌へのこだわりなどは、
平時においてできることであり、
まずは学級を安定させることだけにフォーカス
するべきなのです。
そして、「2:6:2の原則」に従って、
上位層2割からの信頼を勝ち取って、
6割の中間層を味方につけるための
戦略を練ることです。
中間層6割をこちら側に取り込めれば、
学級を安定させることができますが、
もしもそれに失敗すれば
地獄の1年が待っています。
大変な子供達を目にすると、
思わず愚痴りたくなる気持ちもわかりますが、
それを絶対に本人たちの前では見せないことです。
前の子供たちと比較して、
「去年の子はどうだった」とか
「前の学校では」などと言うのは
クラス全体を敵に回すことになるので御法度です。
基本マインドとしては、
「目の前の子供達を世界で
一番大事な存在として扱う」
が肝要です。
これを綺麗事としてではなく、
本気で行動に移すことがクラスを立て直すための
前提条件となります。
大変な学級を担任するというのは生きるか死ぬかのデスゲーム
大袈裟ではなく、大変な学級の担任をするのは、
生きるか死ぬかのデスゲームです。
選択肢は2つしかありません。
ハラを決めて目の前の子供達と向き合うか、
尻尾を巻いて逃げ出すか、これだけです。
実際に、心を病んで病休に入る先生たちの例は
枚挙にいとまがありません。
いつ自分がそうなってもおかしくない、
という覚悟を持つことが大事です。
大変な学級を持ったことがある方なら
お分かりでしょうが、平時に通用していた
指導技術はまるっきり使えなくなります。
まさに非常時なのです。
できることはなんでもやる。
まさに、持てるすべてのリソースを
注ぎ込む覚悟が求められます。
若い先生なら、若さのパワーと勢いを
ありったけぶつける。
美人の先生なら、その美貌を
フルに活用する。
ベテランの先生なら、これまで蓄えた
ノウハウをありったけ搾り尽くす。
それ以外に方法はありません。
文字通り、魂と魂のぶつかり合いであり、
これまでに磨いてきた人間力が実地で試される
場だということです。
教師版「お礼参り」
学級経営が安定してきて、中間層が味方についたのを
確認したら、絶対やろうと心に決めていたことがあります。
それは教師版「お礼参り」です。
いわゆる落とし前をつけるというやつです。
これまで散々好き放題に暴れていた連中に、
1人ずつ静かに復讐するのです。
勘違いしないでいただきたいのは、
断じて暴力行為や暴言など、
非人道的な行為に訴えるわけではありません。
誰に見られても大義名分が立つ形で、
クレバーにやっつけていったのです。
学級が反乱を起こした時、
数の勝負では我々教師には分がありません。
でも、知恵比べではどうでしょうか。
少なくとも、いわゆる問題児たちなど
ものの数ではないはずです。
いつまでもやられっぱなしでいいはずが
ありません。
虎視眈々と機会を伺ってきっちり落とし前をつけ、
大人の恐ろしさをきっちりわからせてから
社会に出してやるのが教師の作法というものです。
ただし、リベンジが終わったら、
教師の顔に戻ることです。
少なくとも、学級担任でいる間だけは、
とことん生徒の味方でいることです。
それが教育の本質であり、本質を外さない限り
心ある生徒は、離れずについてきてくれます。
ズル休みのススメ
最後に、激動の1年をサバイバルするための
知恵をお伝えします。
それはきついときにはしっかり休む
ということです。
私も大変な学級を担任していた時、
しょちゅう体調不良で休みました。
原因不明の腰痛になって、
鍼治療に通っていた時期もあります。
こういうときに無理をするのは禁物です。
真面目な先生は、学級の子供が待っているから、
と自らの身体に鞭打って学校に出ていきますが、
生徒はそんな心も知らず冷たく接してくるだけです。
ハッキリ言います。
クラスの生徒よりも、あなたの健康の方が大事です。
クラスの子どもとは、1年こっきりの付き合いですが、
身体とはその後何十年と付き合っていかなければ
ならないのです。
それに死んでしまったら、元も子もありません。
生きていれば挽回は可能です。
もう1つ大事なことは、
「捲土重来を期すなら、睡眠時間は死守せよ」
ということです。
私などは1日お休みを取ってしっかり眠ったおかげで、
次の日また大変な子たちと向き合うエネルギーが
復活したことが何度もあります。
断じて休むことから逃げてはいけません。
最後に、今苦しい思いをしている
あなたに向けて書きます。
あなたが今苦しいのは、
現場の最前線に立っているからです。
最前線にいる人にしか弾は当たらないのです。
まずはそのことに誇りを持って欲しい。
そして、どん底に落ちる経験は
選ばれし人にしか与えられません。
どん底に落ちても腐らずに前を向けば、
必ず風向きが変わるときがやってきます。
どん底から這い上がると、1つだけいいことがあります。
それは人生のステージが上がるということです。
これまで見たことのない景色、
これまで触れ合えなかった新たな仲間との
出会いが待っています。
ああ、あの苦しい日々はこのためにあったんだ、
と思えた時、あなたは一皮も二皮も剥けた、
周囲から信頼される教師として生まれ変わっているはずです。

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