読解力の重要性

仕事

ホストに必要な読解力

先日、とあるYouTube動画でこのようなものがありました。

ホストクラブのオーナーが、
若手ホストでなかなか売上が立たない子たちを集めて、
勉強会を開いているのです。

何をしているのかといえば、何と小学生用の読解力ドリルに
取り組ませているのです。

そのオーナー曰く、「女の子は頭の悪いホストには、
どんなに顔が良くてもお金を払わない。
やっぱり会話で女の子を楽しませて、『この人知的だな』
と思うホストにお金を貢ぐのだ」と。

頭の悪いホストは、そもそも女の子の話している内容を
きちんと理解することができないのだそうです。

だから、当然ながら当意即妙な受け答えもできず、
女の子に呆れられてしまうのだと言います。

ホストたる者、女の子の会話から「1を聞いて10を知る」
くらいの意気込みで内容を理解し、
女の子を楽しませることに努めなければならない
と言うのです。

女の子にモテようとするとき、
普通であれば、「恋愛会話術」とか「大人のための会話術」といった
本に飛びつくところでしょうが、
学力がそのレベルに達していなければ、本を読み解くことができません。

だから、オーナーは小学生用の学参に取り組ませることで、
読解力のレベルを底上げしようとしていたのでしょう。

私は、この動画を見て「我が意を得たり」と
思わず膝を打ってしまいました。

なぜなら、私も常々大人の基礎教養として、
読解力を鍛えることの重要性を痛感していたからです。

普段公立中学校で指導をしていると、
クラスの半分はろくに本も読めない程度の学力しかない
ことがハッキリ分かります。

彼らがそのまま大人になったのが一般社会だと考えれば、
大人の大半はろくに本も読みこなせない程度の読解力しか
持ち合わせていないということになります。

保護者と話をしていて、意思の疎通に齟齬が生じたりするのは、
教師側の伝え方にも問題があるのかも知れませんが、
保護者側の読解力の不足にも大いに原因があるのです。

教師の読解力

ひるがえって、私たち教師の実状はいかがでしょうか。

最近では、随分教師のハードルも低くなったようですが、
一昔前は教職員の倍率も高く国立大学の教育学部を出ていても、
なかなか教職に就けませんでした。

つまり、教員は「そこそこの学力を持った人たちがなる職業」
という共通認識が世間にもあったのです。

しかし、最近では地方の私立大学出身の教師も増えつつあります。

ということは、教員自身の読解力のレベルも、
だんだん下がってきているということでもあるのです。

また、国立大学の教育学部を出ていても、
学校を卒業してからろくに本も読まず、
勉強もしていなければ、能力はどんどん錆び付きます。

ご自身を振り返って、
「最近熟読したのはネット記事やLINEのメッセージくらい」
という方は、能力の劣化を疑ってみた方がいいと思います。

読解力の低下は、そのまま仕事のパフォーマンスの低下を
招きます。

授業力、生徒・保護者とのコミュニケーション能力、
同僚との人間関係等で、お困りのことがある方は、
読解力の改善に取り組むことが、
思わぬ特効薬となるかもしれません。

どんな勉強をすればよいか

ホストクラブのオーナーが若手教育に行っていたように、
学参に取り組むことをオススメします。

教員であれば、自県の高校入試問題の過去問を購入し、
5年分ほど解いてみることです。

8割程度解答できれば、義務教育レベルの読解力は備わっている
ということになるので、ひとまず合格です。

もしも「学生時代、国語が苦手だった」という方は、
いきなり高校入試の過去問はきついかもしれないので、
小学生用の学参か、中学入試用の過去問にトライすることを
オススメします。

「何で今さら子ども向けの学参に取り組まなければいけないのか」
と不満に思われるかもしれませんが、
これはあなたの「一生を左右する勉強」になります。

恥を忍んで子ども向けの学参に取り組んで力が付けば、
高校入試の過去問で正解する力も身に付きます。

たったこれだけのことで、
「本を自由に読みこなせる」層に

シフトすることができるのです。

そうなれば、新たに様々なことの
「学び直し」にトライできるかもしれません。

教養が高まれば、周囲に集う人脈も一変します。

仕事力も底上げされ、さらに上のステージで
仕事をさせてもらえるかもしれません。

読解力を付けるための勉強は、
やったらやっただけ確実にお釣りが来るのです。

自県の高校入試の過去問5年分を解いてみて、
まだ余力がある方は全国高校入試問題正解にトライして、
全都道府県の入試問題をコツコツ解いていく
修行をオススメします。

ここまでいけば、あなたの読解力は
さらに盤石なレベルになるでしょう。

話す言葉も変わってきて、どことなく知的な雰囲気が
漂うようになるかもしれません。

全国高校入試問題も解き終えたという猛者には、
センター試験「現代文」の赤本に取り組むことを
オススメします。

センター試験の現代文は入試問題の最高峰ですので、
ただ読むだけでも勉強になるような
一流の文章が収められており、

一気に知的教養が高められるはずです。

ちなみに、現在の私はセンター試験の赤本もすべて解き終えて、
東京大学の過去問に取り組んでいるところです。

この調子で京都大学、大阪大学と、
難関大学の現代文の過去問を軒並み解いていくつもりです。

まあ、ここまでいくと若干オタクの領域に
入っている感が否めないので、
無視していただいて構いません。

とはいえ、こうした勉強は私にとって
苦行や難行などではありません。

読解力の勉強の楽しさに取り憑かれた結果、
知らず知らずのうちにこうなってしまったというだけのことなのです。

こうして1人でも多くの人に、読解力の勉強の楽しさに目覚めていただければ、
筆者冥利に尽きます。

読書がどう変わったか

さて、あなたが最も知りたいのは、
「で、その勉強をした結果、お前はどうなったのよ?」
ということではないでしょうか。

まず一番変わったのが、読書能力です。

それまで難しいと敬遠していたような書物でも、
難なく読みこなせるようになりました。

娯楽小説の類なら、オーディブルや電子書籍を駆使して
出勤時間の往復や、筋トレ、ウォーキングの合間に
楽々読破してしまいます。

これは、本好きにとってたまらない副産物です。

とりわけ「本の面白さ」をより深く味わえるようになったことが、
読解力の勉強をしていて何より良かったことです。

その他の仕事力、コミュニケーション力が云々というのは、
私にとってはおまけのようなものです。

著者の紡ぎ出す世界に分け入り、
書物の中で著者と対話すること以上に
私の心を躍らせる体験はありません。

読解力の修行が本の世界をより豊かにしてくれたことが、
何よりの福音だったと断言できます。

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