録音・録画によって磨かれる教師力

メンタル

1人研究授業のススメ

授業力を上げたいと願う人のために、
「1人研究授業」というアイデアを
ご紹介したいと思います。

これは、野中信行先生が
著書の中でご紹介されている方法です。

やり方はシンプルで、授業の初めに
ボイスレコーダーの録音ボタンを押し、
終わったら録音ボタンを止めるだけです。

ただし、その後に大きな難関が待ち構えています。

それは、録音した自分の授業を
「最後まで聞き返す」というプロセスです。

「そんなバカな」と思ったあなたは、
実際にやってみたことがない方です。

1度でもやってみれば、難関と表現している
意味がわかります。

もちろん、再生ボタンを押してサワリだけ
聞くだけなら誰でもできます。

しかし、ボイスレコーダーから聞こえてくるのが、
自分が理想として思い描いていた授業とは
似ても似つかないような出来損ないの内容だった
としたらどうでしょう。

現実を受け入れられず、再生ボタンを止めてしまう
のではないでしょうか。

おそらくほとんどの人は、そうやって聞き続けることが
できないまま終わるはずです。

私も最初聞いた時は、苦しくてたまりませんでした。

「何だ、この下手くそな授業は」

「声がこもっていて、聞き苦しい」

とにかくダメ出しのオンパレードでした。

それでも、この聞き苦しい授業を生徒たちは
毎日50分間聞き続けているのです。

少なくとも、自分が納得のいく授業を生徒に
提供するべきであり、それが誠意であり
プロとしての矜持だと思い直しました。

それから、とにかくこの修行を頑張って
続けることにしました。

野中信行先生は、月に1度でいいから
「1人研究授業」に取り組むことを
推奨されています。

しかし、私は毎日1本授業を録音して、
帰りの車中で聞き返すという習慣を持つ
ことにしたのです。

ところが、この修行は思わぬ変化を
生むこととなりました。

だいたい100本を超えたあたりから、
自分の授業を聞くのが楽しくなってきたのです。

それまでは、アラばかりが目について
苦痛で仕方なかったのですが、
だんだん自分の授業を面白いと感じるように
なってきたのです。

思わぬ副産物だったのは、間の取り方や、
短く伝わりやすい指導言などが、
徐々に磨かれてきたことです。

また、声の通りが良くなり、
生徒の反応を予測できるようになり、
感情的に注意することが少なくなりました。

向山洋一氏など多くの実践家の方々が、
授業力向上のために100本の研究授業に
取り組むことを推奨されています。

この研究授業100本という数字は、
途方もないものです。

仮に、年に4回研究授業を行ったとしても、
25年を要します。

この数字を10年で達成しようと思えば、
年間10本の研究授業を行う必要があります。

ざっと月に1本のペースです。

理想かもしれませんが、
あまり現実的とは言えません。

でも、1人研究授業であれば、
その気になれば私のように
毎日でもこなせます。

ほぼ毎日のように録音を続けた結果、
現在では400本以上を達成しています。

メタ認知力の強化は全教育活動に生きる

授業を録音して聞き返すのが楽しくなってきた私は、
ありとあらゆる場面でこの修行を行いました。

それこそ、集会で話をする場面などがあったら、
Apple Watchのボイスメモですかさず録音。

友人とカフェでお茶しているときなども、
許可を取って録音し自分の話ぶりを
チェックしています。

こうして、録音によるメタ認知が
半ば趣味になってきた頃、

自分の中に話をしながら、
聞いている自分が存在すると

感じるようになりました。

このようにして、自分の話し方を磨いてきた
効能はテキメンで、
生徒指導や部活指導などの場面においても、
効果を発揮していると感じています。

授業力向上を狙って始めた1人研究授業ですが、
その効能は生徒指導力や学級経営力などにも
及んでいると感じています。

それもそのはず、自分が生徒に
どう映っているかを意識して、

あらゆる教育活動に臨んでいるのですから、
結果が変わってくるのは当然と言えるでしょう。

最近は、PCの録画機能を使って自撮りを行い、
テーマを日替わりで変えた1分間スピーチを見返す
という修行にも取り組んでいます。

初めは目線も落ち着かなかったり、
表情にも自信がなかったりと
ツッコミどころ満載だったのですが、
そのうち落ち着いて話せるようになってきました。

おそらく、このように録音・録画で
メタ認知を強化している教師は、
圧倒的少数派だと思われます。

また、このブログを読んだ人でも、
大半の人は感心して忘れてしまうのでは
ないでしょうか。

だからこそ、実際に試して継続しようという
意思のある方には、大きなアドバンテージがあると考え、
自信をもってこの方法をオススメする次第です。

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